これだけ押さえておけばバッチリ！
（5段階評価）お勧め温泉リスト

まず、はっきり言って富士五湖の温泉は個人的に温泉じゃないと思っている（お勧めは幾つかある）。

　今はどこだって深く掘れば水脈は温度が高くなる。そんなボウリング技術の功罪のおかげで、富士五湖地域にも温泉と名のつく施設が増えた。しかし、水量不足を補う加水、温度不足を補う加温、そして、循環風呂。こんなのは温泉と違う。加水・加温が悪いと言っているんじゃない。あまりにも貧弱な源泉を過大使用するから温泉そのものが弱いのである。つまり、湯量に対して浴槽などの施設が広すぎるから無理しているのである。おまけに自噴する力がないからポンプで汲み上げる（まぁ、これは別に良いのだけれど）。

　一度、じゃぶじゃぶと溢れ出る源泉かけ流しの温泉に行ってみると良い。そのお湯の鮮度にびっくりすることだろう。そう、お湯に鮮度があるのだ。
寿司に例えると、富士五湖の温泉は5周回った回転寿司のマグロと思えるほどだ。特に「紅富士の湯」・「ふじやま温泉」なんか人がゴミゴミしているし、観光客相手の銭湯化しているものだから行くもんじゃないと思う。
それだけ、お湯の鮮度に違いがあるし、衛生面もしかりだ。

　つまり、私がお勧めしたいのは、主に富士五湖地域以外の山梨県の温泉。
なぜか？
♪豊富な湯量で浴槽の容積を満たしているので、浴槽から溢れ出るお湯は実に気分が良い。まさに源泉かけ流しの醍醐味。
♪40度前後で湧き出しているから、お湯が熱くなく、ちょうど良く長風呂できる。ちょうど良い温度だから加水・加温がいらない。
♪上記の理由でお湯の鮮度が良い。自噴している源泉のお風呂は更に鮮度が良い。
♪火山性の温泉では無いため、（悪いことではないけれど）硫黄臭に悩むことがない。
♪山梨では飲泉が認められており、源泉を飲みながらお風呂に入れる。
♪時間にして40分～2時間の範囲にあり、用途に応じて使い分けできる。
♪適度に地元なので気軽な感じで温泉に行け、しかも安価。
これらはすべて山梨の温泉の特徴。

　箱根や長野なんかの温泉も良いけど、私が決定的に駄目なことは「お湯の温度が高すぎて長風呂できない」こと。
36度前後のお風呂に最低でも2時間以上浸かり、眠りに入る極上が味わえないことがさみしい。

　富士五湖の温泉は観光客に任せて、地元の住民はちょっと離れるけれど良い湯に浸かるのも良いと思う。
一度ゆっくりお風呂に入れば本物の凄さが理解できるはずだ。

絵・写真・動画・文　久保覚（富士五湖TV）