富士山
▲3,776m(1,600-2,500m)
言わずと知れた日本一の山、「富士山」。
高さだけでなく、美しさ、知名度等、どれを取っても日本一である。
富士五湖周辺に住む私達は、幼いころから富士山と対峙しているため、「富士山のある風景」はごく当たり前の光景だった。
事実、朝、部屋の窓を開けると、窓いっぱいに広がる富士山。
その光景を見ると自然に今日の天気がわかる。
表を歩けば、富士山の方向によって方位を知る。
春は山菜取り、夏は涼み、秋はきのこや木ノ実、冬は厳しさを与えてくれる。
そんな富士山でも、「今日の富士山は綺麗だ」と言う日は年に数回もない。
私にとって富士山は「見て楽しむ存在」だった。
そんな富士山の頂上に立ったのは、20歳の頃。
それまでは最高八合目、頂上はいつでも行ける場所だったのだ。
それが頂上に立ったのは20歳…。友人の多くは頂上に行った事もない。
「いつでも行ける…」この思いが頂上に行くことを拒むのだ。
私が頂上に行くきっかけは、四国の友人にせがまれて、仕方なく行ったのだ。
そんな出来事でもない限り、富士山には登らなかった。
そう私にとって、「富士山は身近で、いつでも行けるし、見て楽しむ山」だったのだ。
月日が巡って十年後、本格的にトレッキングを楽しむようになると富士登山は欠かせない存在になってくる。
しかし、当たり前のことだが、「富士山を中心とした風景」は楽しめない。
そりゃそうだ、自分は今、富士山に登っているからだ。
登山道も登りっぱなし…。ひたすら瓦礫道を足を引きずりながら登るだけ。
はっきり言って「楽しくない」…はずなんだが、「年に一度は登らなきゃ」と思ってしまう。
「登る」と言っても河口湖側の五合目からなんだが、その人の多さに圧倒される。
「こんなに大勢の人を魅了する富士山ってなんだろう?」といつも考えてしまう。
「じゃ、自分は何のために登るんだ?」と思いをめぐらすと、「朝日を見るため」と「日本一の場所に立つ優越感」なんだと気がついた。
いつものパターンは、深夜に五合目につき登頂開始、朝日を八号目近くで垣間見て頂上に到着。
頂上で「お鉢巡り」をして、九時ごろ下山開始、昼過ぎにはもう家でのんびりしている。
なんともあっけない富士登山を毎年繰り返している。
しかし、普段登りなれている御坂山塊の前に湖を配した風景や、駿河湾の海、さらに遠く見えるかもしれない京都に思いを馳せると登って良かったと思うのだ…。
「トレッキング」と言う意味でお勧めなコースもある。
それは、吉田の浅間神社から五合目に至る登山道であったり、五合目付近にある御中道である。
富士山頂上登山も良いが、ここにもう一つ富士山がある…。
私は昔から御中道の上下一帯が遊び場だった。
松茸取りや鬼木取り、森林観察等に良く父に連れられて沢を行ったり来たりした(中学生になるまで)。もちろん登山道なんて無い。
目印は御中道だ。上に行ったら下に戻る。下に行ったら上に戻る…。(二合目から八合目を何度も行ったり来たりする)
目的は「頂上に立つこと」じゃないため、生まれてから20年も富士山頂上に立ったことが無い。
今となっては「どこをどのように散策していた」のか記憶も曖昧だ。そして、父に習い30歳を過ぎてから山に戻ってきた…。
●富士登山(吉田口から5合目へ)
●富士登山(河口湖口から山頂へ)
●お鉢巡り
●御中道
●奥庭
●青木ヶ原樹海と洞窟探検
●長尾山と小室山
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