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御中道
▲2,450m(100-200m)

■動画で案内■

低速回線用

高速回線用

登山道 富士山の魅力に富士一周というイベントがある。
頂上では、「お鉢巡り」と言って火口周囲を巡る道。
ふもとでは、富士五湖を通過して朝霧高原を経て表富士を仰ぎ見るコース。
富士山は円錐形なので、上に行くほど一周の旅に要する時間が少ない。
「お鉢巡りでの一歩が麓の距離にしてどのくらいなんだろう?」なんて想像するのは楽しい。
しかし、意外に皆さんに知られていないのが「御中道」巡りである。
登山道から駐車場を
森林限界線、標高2200m〜2500m付近がそう。先の五合目登山道でも紹介したが、突然富士山の風景が変わる地帯がある。
遠くで見ると富士山の雪の模様が描く線がそうでもある。あのギザギザした模様である。
下まで雪がある模様部分は沢(沢と言っても水が流れるわけではない)の部分。
その森林限界線に沿うように富士山を一周できる道が「御中道」である。

奥庭を超えた付近に御中道へ至る最短地点がある。

5合目の駐車場からも御中道にたどり着けるが、ここに車を停めて登山道に入るのが一番の近道である。
約1時間程度の行程が短縮できる。往復で2時間だ。
5合目の駐車場と奥庭間は車で移動したほうが賢い選択だろう。

御中道入口入口

御中道の上は瓦礫地帯、下は森林や原生林が広がり富士山を知るには良いコースである。
裏富士なら御中道へはスバルライン五合目駐車場に入り口がある。看板があるのでわかると思う。
御中道だけを目的とするなら、有料道路(スバルライン)を途中まで利用し、奥庭(天狗が遊ぶ場所の意味)と呼ばれる付近に車を駐車するのが地元以外の人なら判りやすいと思う。


東屋奥庭周遊歩道標識

御中道前半は、富士山を雄大に望む瓦礫地帯を歩く。
良く整備された登山道だ。

途中には東屋もあり、休憩も出来る。御中道の奥に行かなくてもサンダルで楽しめる富士山だ。
5号目付近の観光だけを目的とするのなら、ここの周歩道の方が断然、お徳である。

 さて、御中道と奥庭を含めた「奥庭周遊歩道」だけを目的とするのも良いが、御中道には更に魅力がある。
瓦礫地帯を西に向かうと、確認が難しいのだが、奥庭登山道の分岐点がある。
標識
 緑色の小さい標識に従って行動すると良い。
瓦礫道の途中で細い登山道に入るのだが、間違うと精進湖登山道に下ってしまう。
狭い山道と広い精進湖登山道は、しばらく平行に道が進むが、精進湖登山道は徐々に高度を下げていく。
ポイントは緑色の小さな標識である。標識には「御中道」もしくは「大沢崩れ」と書いてあるので十分な確認が必要だ。

この御中道を西に向かうと、しばらく(1時間程度)は森林地帯を歩く事になる。
御中道

すると突然目の前が開け川のように頂上から下まで瓦礫が連なった場所に出る。
これが「沢」と呼ばれるもので、富士山の特徴の一つである。
最初に現れる沢は「滑沢」だ。休憩はこの沢の手前、景色の良い場所で休憩するのがセオリー。

沢を横切る

 まるで川のような瓦礫地帯を横切って御中道はさらに続く。
沢の中間点には、石で出来た案内がある。見ると2,404m。
沢は瓦礫が下り降りる通り道で、深い沢だと数十メートルもの壁が連なっている。

 途中、幾つか沢(各沢には名前がつけられている)を通りすぎると目指す「大沢崩れ」に行きつく。
沢を横切る際には素早く横切ろう。いつ上から落石があるのかわからないからだ。十分に上に注意を払う必要がある。
大沢小屋
 一番大きい沢は「大沢崩れ」と言い、富士山測候所の下から始まり、常に瓦礫が崩れている。
裏富士の御中道はこの大沢崩れで引き返さなければならない。なぜなら御中道が沢によって分断されているからである。
先に行けないわけではないが、通常「行ける」と判断できるような場所でもない。
大沢崩れの景観はグランドキャニオンを想像するとわかりやすい。常に「ガラガラ」と音をたてている様は不気味さを感じる。
しかし、大沢崩れまでの小さな沢(と言っても決して小さくは無い)は横断できるので心配は無い。

御中道の終点は大沢崩れである。目印に小屋が立っている。

大沢の崩落この小屋付近では大沢を見ることは出来ない。遠くで岩の崩れる音が聞こえるのみである。
大沢崩れを見るためには、小屋横の小さな登山道をたどる。
一見すると道の判断が難しいが、階段状の道筋をたどり、高度を上げる。
途中、気象観測小屋を横目に100mほど急登すると、大沢の崖上に出る。
ここから見る大沢崩れはグランドキャニオン。
 常に崩落の音が周囲に「こだま」している景観に自然の大きさを体験する。
そして、自分の立っている崖も、「この瞬間、崩れるのかな?」と言う恐怖と供に時間が過ぎていく。

「頂上まではちょっと」と思うのなら、大沢崩れまで行って引き返す御中道の旅は良いかもしれない。
下界では、富士吉田から富士宮まであるような距離も御中道ならあっと言う間だ。
下界にとって河口湖の上にいると思って西に歩くと、もう西湖の上、本栖湖の上にたどり着く。
そうして幾つもの沢を超えて西に向かうのである。
この沢を見ていると「いつの日か富士山は崩れてなくなる」とさえ思える。

御中道には適度に人が入っていて孤独感をあまり感じなくてすむかもしれない。

御坂

周遊歩道の眼下には御坂山塊が広がり、5合目駐車場より景観は良い。

御中道、地元では松茸等のきのこ狩りにも利用されるキーとなる道でもある。
ただし、松茸は許可証が無ければ採取できないので注意すること。また御肉と呼ばれる精力の元になる植物も同様である。
御中道は自然観察にもってこいのコースであることは言うまでも無い。

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五合目駐車場 奥庭上 滑沢 大沢
奥庭駐車場 <-0:30->

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