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セッティング

さて、空になった水槽にレイアウトが段差になる部分のセッティングを施しました。
私は良くレンガやブロックを使用して砂の量を節約します。
今度は立体的で、段差のあるレイアウトを構想したので以下のような配置を試しました。

排水口付近 石を境に段差がある 石の後ろは高くなる

この上に腐葉土とピートを同量混ぜて、それにカリ主体の肥料(テトライニシャルスティックでも良い。私はリンカリ肥料を使用)を加え、底に敷き詰めます。
150cm×45cmで厚みを3〜4cm持たせたら、腐葉土とピートをそれぞれ3リットルちょっとづつ使用しました。
この温床となる腐葉土とピートの混合の上からパールサンドを下が隠れるように敷き詰めます。

<-段差と傾斜をつけた砂が敷き詰められました。

このときの砂はアクアソイルでも可能です。
注意する事は砂を深めにしないことです。砂が深いと酸素の供給が断たれ、土壌バクテリアの活性に支障がでます。

後は水を入れて環境を元に戻すだけなのですが、そんなに簡単にいきません。
状態的には水槽をリセットしたのと同じなのです。
これからしばらく水槽を観察しなければいけません。
特に温床はまだ「こなれて」いないので注意が必要です。
果たしてこれで良いのか…やはり大切なのは観察です。

水を入れるとやはり水は濁っています。
特にピートの成分が溶け出してきて水が赤く変色しています。
また、ピートは水を酸性にするので入れすぎるとPHが落ち過ぎますので注意を。
私の水槽では「このテストの時」PH6近くまで落ちました。
水をある程度入れたら次に水草を植えるのですが、あまりにも赤色が出ているので1日おいて水替えをし、さらにもう1日待ってから植えました。
都合2日かけて2回の水替えを行いました。
このとき、まだ水は赤かったのですが、PH6.2前後で落ち着いたので、いよいよ水草を植えます。

通常、最初に植える水草は「テストプラント」といい、有茎系の水草を植えると良いといいますが、私は今まで入っていた水草を一気に植え込みました。
さて、どうなるでしょう?
私が考えるテストプラントの役割は大きく次の3つの役割がある様に思います。
1.水質に異常が無いか調べる役割。
2.水中の余計な肥料分を吸収させる。
3.根を張らせ、土壌の未分解肥料を分解促進させる。
つまり、1から始まり2を通して3に至って「水がこなれた(強い水)」という状態になります。
教本によると、「こなれた水になった時、根を張る水草(アマゾン等)を植えると良い」ということなのです。
土壌の肥料がバクテリアで分解されて根から養分を吸収しやすくなったときにエキノ系とかクリプト系を植えれば良いということです。
さて、私の場合どうなるのでしょう?

観察へ

まぁ深く考えてもしょうがないので、多少水の濁りがまだ残る水槽をセットしたのです。
PHが少し低いので魚を入れるのを躊躇しましたが、特に問題は起きませんでした。
強いて言えば、どの魚か解りませんけど下痢をしたような糞が2〜3日見られました。下痢かどうかは確証がありません。

水槽セット後2週間で水は完全に透明になり、PHも6.5付近で安定。
水面に浮かぶゴミもあらかた消え去り、いよいよ腰を落ち着けて観察できるようになりました。
その間、水替えは2〜3日に1度、全量の1/3〜1/2程度行ったのです。
以前使用していた砂と盧材を転用したのでさしたるトラブルも起きません…。
と思ったら、アオミドロの臭いコケが大量発生の兆しを見せました。
アマゾンの葉を覆うように…、砂の一部を覆うように…。
これは水槽を初めてセットした人が辿る道のりです。
おそらく大量のバクテリアを流出させてしまった事と、底砂に混ぜた肥料が水中に溶け出してきたようです。
更に、腐葉土とピートモスが発酵して、時々ガスを砂から上げています。ここからも水中に肥料が溶け出しているのでしょう。
そこで、魚の数を極端に減らして、水替えを行い様子を見ました。
…アオミドロの勢いはとまりません。これは「肥料が溶け出している」という結論になるかと思います。
こうなったら、底砂が安定するまで待つしかありません。
この時期に爆発的に成長する水草がありました。
レッドカボンバ、マヤカ、アマゾンチドメグサ、ウォータースプライト等です。

yuikok.jpg (10606 バイト)特に、写真の水草(名前を失念しました)は爆発的に増え、根を張りながら次々にランナーを出し水槽を覆うほどに増えつづけました。
これらは葉から多く養分を吸収できる種類だからでしょう。

アマゾン等の水草は巨大化せず様子をうかがっているようです。
また、広い葉にアオミドロがへばり付き光合成を邪魔しているような状態になりました。
そこで、水替えを頻繁に行い(ただし全量の1/5程度に押さえた)、掃除のたびに手でコケをこすり落としアオミドロの攻撃をかわすこと2週間で突然アオミドロが消滅しました。
今まで1日経つと増殖していたアオミドロが今度は逆に減少に転じ消滅してしまいました。
おそらく、水中の養分が減少したのでしょう。
水そのものが賓栄養化になったのだと思われます。
すると、時を同じくして、レッドカボンバ、マヤカ、アマゾンチドメグサ、ウォータースプライト等の固体が縮小化してきました。
写真の水草も、「こんもり」した森の状態からすかすかの下刈りした林のような状態になってきたのでした。
水槽全体が徐々に寂しくなっていくような感じです。
更に1ヶ月様子を見ました。
エキノ系やクリプト等は大きくなるわけでもなくセットしたときの状態をなんとか保っているのですが、有茎系の水草は相対的に縮小化していきます。
一時、爆発的に増えて巨大化していったので落差が激しく感じられます。
ウィローモスも徐々に茶色に変色していきます。
ここまで来ると我慢の限界です。原因を考えてやらねばなりません。

まず頭に浮かぶのが水中の養分不足です。
ウィローモスは「おそらく」という答えになるかもしれません。
しかし、他の水草は「根」があるのです。
エキノ系は小さくならずに状態を維持しています。それなのにカボンバやスプライト等は縮小していきます。
「水質の変化」は考えられません。
「光量不足」も問題ありません。
「砂の目詰まり」も魚が少なかったり、頻繁な掃除で考えにくいです。

「底砂が熟成していないのに水中の養分が減少した」…つまり、上から下からの養分不足…考えられるなぁ…。
ここで時系列を振り返ると、

セット時 2日後 2週間後 3週間後当たり 4週間後 2ヶ月後
赤い水とゴミ 赤い水減少 水質安定・コケが出始める 有茎系の爆発繁殖 コケの減少から消滅 有茎系の縮小化が顕著
水と肥料を新規 水草を植える 魚を減らす・まめな掃除 まめな掃除 まめな掃除 ???

その後

CO2は従来通り適度な分量(2秒に1滴程度)で150cm水槽としては少なめ。PHは6.5程度。
さて、2ヶ月たって温床が出来ていないのでしょうか?
少なくとも根を大きく張る水草等の急激な成長は見られません(一部の水草は確認できる…例えばロータス系)。
これじゃ、温床を作らないほうが水草は良く成長していたぞ…。
「仕方が無い」温床のみの実験はあきらめて液肥を投入する事にしました。この瞬間に温床のみの詳細データは曖昧なものとなったのです。
「ハイポネクス開花用」を1週間に1度1/3程度の水替え後にかかさず、150cm水槽でキャップ1杯投入。
様子を見ること2週間後、マヤカ、アマゾンチドメグサには効果あり、葉が大きく勢いが増してきました。
おそらく、液肥が効いたのでしょう。

payuku.jpg (19660 バイト)時を同じくして、コークスクリューがランナーを伸ばし異常な繁殖を見せ始めました。
それに、苔に覆われ、減少していたグロッソも勢いを増してきたのです。
こちらは液肥なのか温床なのか解釈不能。何故なら液肥の追加で純粋なデータでなくなったため。
温床のほうは水草の根の周りに白い菌がついたようになり、これから根が活性化する様相を呈してきました。
そして、魚をある程度水槽に放し、日々の鑑賞用水槽に落ち着いてきたのです。
気のせいか魚を入れたら水草も元気になったような気がするが、あくまで「気がする」です。もしかして、窒素系の肥料(糞や餌)が加わったおかげかもしれない…。
カボンバは魚を投入してからのほうが勢いを増したように特に感じられます。

guiik.jpg (9962 バイト)次第にエキノ系やウィローモスも勢いを増し水面に届くほどの勢いを見せ始めました。
魚の投入を始めてから液肥の分量を押さえ始め、キャップ1杯を1/2程度にしてみました。
問題のグロッソは、ランナーを伸ばし始め日陰に日向に侵食を始めてきます。
ちなみにグロッソは、ランナーが伸びて根が定着したらランナーを細かく切ると早く底を埋めるように繁殖します。
ただ光量が多く当たる部分の葉が小さくなるのはいただけない。また、水中に養分がありすぎると上に伸びていく。

さて、温床の件を通して想像するに、有茎系の一部の水草は葉から養分をメインに取る種類があるということで、「根から養分を取る」という思いこみも修正しなければいけないと思うのです。
バリスネリアなんかは「葉」と「根」の半々から養分を取っているようだし、エキノ系は「根」から養分をメインに取っているようです。
「葉」からメインに養分を取る水草の根の役割は「その場に留まる」ためなのでしょう。昆布もそうだし…。
結局、「色々な種類の水草を1つの水槽に入れるということは、色々な環境を1つの水槽で再現することなんだなぁ」と思うのでした…。

今回は「…」が多い文章になってしまいました。自分でも不安材料が多そうです。まだまだ道は続きそうです…。

《参照:ピートモス葉と根を考える肥料と言うもの


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