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【カッパ伝説のある河口湖】
カッパは、背丈が子供くらいで、頭に皿があり、皿には三つの穴があり、髪はザンバラで色は青いといわれます。
カッパには神通力があります。どんなケガにもきく薬をもっているともいいます。ある日、カッパから、この薬をせしめた者がいました。
その昔、河口湖にはカッパが住み、人間とは親しくつきあっていました。河口湖の水神ともいわれます。カッパにまつわる民話も数多くのこされています。
長浜に八エ門という力もちがいました。小海部落でマキを売リ歩いていると、カッパに声をかけられました。相撲をとろうというのです。八エ門は負けん気を出して四つに組みました。しかし、ずるずると湖に引き込まれていきます。
思わず「助けてくれ」と叫ぶと、大嵐の天神様がこれを聞きつけ「ハチを攻めろ」と教えてくれました。ハチとは頭のことです。カッパの皿には三つの穴が開いていて、この穴に指をつっこむと、カッパの神通力は失われてしまうといいます。八エ門がカッパの急所をせめると、カッパはへなへなと倒れてしまいました。
河口瑚の「名薬」として「河董膏(かっぱこう)」という薬が知られていました。はまぐりの貝に入れたぬり薬です。
湖畔の部落の庄屋だった安太郎の家に、たぴたぴ忍び込み、保存食のアブリ魚を盗んでいくものがあります。あたりが濡れているので、カッパにちがいありません。ある晩、ヒジロ(いろリ)に、巻紙が置いてあリました。開いてみると、河董膏の作り方が書いてあります。
さっそく薬を調合し、ためしてみると、びょうそうや、きず、はれものによくききます。カッパがアブリ魚をぬすんだおわぴにと、置き土産をしていったのです。安太郎はこの薬を広く各地へ売り歩き、大全持ちになったそうです。
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