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水槽管理を初めて行う場合にはわからないことが多すぎます。いずれは理解してくるのですが、初心者の頃には先に対する不安が思い切りを鈍化させるケースが多々あります。
例えば、「水槽立ち上げ時に魚は何をどのくらい入れるの?」とか「そもそも水槽はどんな物を購入したら良いの?」なんかがあると思います。
これらの不安は「日常管理の負担度合い」をも過大評価され「自分にできるのだろうか?」という躊躇に変わる場合もあります。
イザ、水槽生活を始めても1年間は不安の連続でしょう。
しかし、その不安感の克服が趣味としても飼育としても愛着にしても無上の喜びなのです。
本ページでも「不安に思ったこと」、「対処したこと」、「失敗したこと」、「嬉しかったこと」、「…」を克明に記述してきたつもりですが、自分自身が水槽維持を続けて年月が経つと「当初の細かい不安」を忘れるようです。
そこで今回は「私自身がどのように水槽管理を行っているか」を記述し発表する事で、皆さんの参考と自身の回帰を満たしたいと思います。
あくまで私のやりかたなので参考程度に留めておいてくれたら何よりです。
毎日行う事でまず頭に浮かぶのが「餌やり」です。
基本的に成魚は2週間ぐらい餌をやらなくても生きていますが、それじゃ可愛そうなので私は1日に1回餌をやります。
1日に1回というペースはひょっとして「少ないんじゃ?」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、水草水槽を維持するためには「このくらいが丁度良いかも…」と思っています。たまに2日に1回のときもあります。
分量は「テトラステーブルフード」をプリンに付いてくるおまけのスプーンで1杯。
エンジェル等中型の魚が8〜10匹で1杯。小型カラシン(ネオンテトラ)30〜40匹で1杯。
そんなに多く与えていません。
私はほとんど人口餌で済ませてきています。
それもコストパフォーマンスが良い「テトラステーブルフード」を与えています。
さて、この「テトラステーブルフード」は大きい容量(200g入)がホームセンターで3,500円。小さい容量(52g入り)は500円?
いつもホームセンターの餌売り場で不思議に思います…。だって小さい容量4つで200gでしょ?つまり、値段の格差が…。
また、「大きい容器に小さい容器の餌がどのくらいは入るか?」って試したら3つで大きい容器がいっぱいになりました?
つまり、1,500円分で3,500円?謎です…。
普通は大きい容器にした方がお徳になるのが世の常なんですけど。アクア商品は謎だらけです。
その他の餌としては「クリル」。
この餌はほんの時たま与えます。まぁ「毎日同じ餌じゃ可愛そう」というのが大きな理由ですが、クリルの効能に「色揚げ(魚の色が良く出る)にも有効」って書いてあります。
そういえば、鮭の身が赤いのは海で大量のオキアミを食べるからって聞いた事があります。
クリルもオキアミだし…。そんなところでしょう。私はオキアミって聞くと海釣りを連想します。
その他にディスカスには「テトラディスカスフード」を与えます。
ディスカスのいる付近にパラパラって程度に…。やはりディスカス君はこちらの餌のほうが食べやすそうです。
小型カラシンがメインの水槽なら、テトラの小型カラシン用の餌も良いかもしれません。
ただし、分量に注意しないと餌を多く与えがちになるのでご注意を…。それに、水面を汚しやすく油幕の発生に貢献しそうです。
餌は2分程度で食べきれる分量が良いと思います。また、なるべく漂っている餌が底に沈まない程度。
「気持ち少ないかな?」と感じる程度でも良いと思います。
E-Mailの質問に「プレコの餌は?」というのがありましたが、私はプレコ専用の餌を与えた事がありません。
前述の「テトラステーブルフード」だけで元気に育っています。底に沈んだ残り餌を処理する分だけで十分だと思います。プレコを大きくする気も無いので…。
水面にこの程度広がるぐらいにしか与えていません。
餌を与えたら少しの間水槽前に留まる癖をつけましょう。
そうすると、魚達は餌の容器を持っただけで近くによってくるようになります。餌を与えた後、近くにいることで恐怖心を和らげるのが目的です。
軽く水槽をたたいてから餌を与えると「池の鯉」のように次回から水槽を軽くたたくだけで魚が寄ってきますよ。
私の水槽では「私が離れた場所にいて席を立っただけ」で水槽の魚が私のほうを一斉に向きます。可愛いやつらです。
さて、水槽の毎日のサイクルですが150cm水槽を例に挙げると…。
お昼1時、タイマーにより200W照明(蛍光管10本)とCO2の自動添加が始まる。
お昼2時、餌を与える。枯れ葉がひどく水面に浮いていればピンセットでつまみ出す。
夜9時、照明が80W(蛍光管前列4本)に落ちる。同時にCO2の供給停止。
夜11時、照明が完全に落ちる。
つまり、私の生活サイクルに魚と水草を合わせたのです。水槽内にリズムさえ与えれば水槽鑑賞時間は昼だけとは限らないわけです。
たいてい水槽の鑑賞は夜になると思います(その時間に人間がいる時間が多ければ)。
その時は朝の照明を切る事です。照明の当たりすぎは水草にとって良くありません。またコケの発生を助長するかもしれません。
私の場合、200W照明に8時間。80W照明に2時間です。80Wの間は私が水槽を鑑賞したい理由にほかなりません。
これ以上照明を当てると水草の調子が悪くなりますし、コケも発生してきます。
水替え
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主なメンテナンスはフィルターの掃除でしょう。
上部フィルター、外部フィルターの掃除を行います。掃除する間隔は一定ではないですが平均して4ヶ月おきかな?
掃除といっても流水でそっと注いで大きな汚れを取る程度です。あくまでバクテリアの流失には注意します。
私の場合、スポンジは1年以上交換した事がありません。まぁ特に支障はありません。
「流水量が減ったかな?」と思えるときに掃除をすれば良いでしょう。
良く「フィルター内がドロドロで結構汚れている」と聞きますが、それで正常です。
蛍光管は半年程度で交換時期が来ると言われていますが、長年水槽の維持を行っていると蛍光管の両脇が黒ずんでくるまでほっといても大丈夫のような気がします。8ヶ月から1年は持たせたいですね。
また蛍光管の交換はサイクルを作るのが良いと思います。サイクルは新しい蛍光管の交換を1度に全部しないようにする事です。
新しい蛍光管を購入したら一番手前にセットし、今までそこにあった蛍光管は後ろに移動させます。私の場合、蛍光管は5列(それが2つ)ありますから2ヶ月に1通りのサイクルがちょうど良いようです(交換は2本)。
このような循環を次々に後ろに移動させて一番後ろの蛍光管が10ヶ月で外れるようにサイクルを完成させます。とはいえ適当なんですが…。
ちなみに私の場合、一番後ろの蛍光管が水槽を離れると庭の外灯へと転身したり、洗面所へと移動します。
蛍光管は通常の蛍光管でも大丈夫(ナショナルパルック黒箱や東芝メロウルック等の3波蛍光管)ですが、時々水草用の明るい蛍光管を購入するときもあります。まぁ気分次第ですが問題は無いと思います。
上部濾過器のポンプのメンテナンスも注意しましょう。
このポンプを分解すると写真のようなプロペラがあります。
この部分に枯れた葉が付着するとポンプがガタガタ音を立てるようになります。ポンプがガタガタ音を立てる場合には大抵ここが原因です。
また、がたつきを修正しようとしてシャフトを曲げないように注意しましょう。こうなると始終ガタガタいうようになります。
ポンプは時々ブラシで掃除するのも良いでしょう。
色々な個所をブラシでゴシゴシ掃除するのです。特にカリ肥料が白く付着しているかもしれませんから削り取ってください。
シャワーパイプや排水口に付着したコケも掃除すると良いでしょおう。
手っ取り早いのは漂白液に漬けることですが、天日干しが良いと思います。半日も日光に当てて水槽に戻すと数日で綺麗になっています。
同様にコケに覆われた石とか流木も効果があります。
シャワーパイプといえばどこに付けるのでしょう。
基本的な場所は「水面下でやや水面に波紋が出る場所」となっていますが、私の場合水槽の調子が落ちてくるまでそのようにはしません。
水槽内の水流によって葉が薄くなったり、CO2の発砲が嫌だからです。
じゃ、「どこに取り付けるのか」というと「水槽の下部、しかも水流はガラス面に向くように」取りつけてあります。
ここに取りつけても「やや水流をガラス面の上に行くよう」に調整すれば柔らかく水が水槽内を回ります。
写真のようなシャワーの取りつけは「油幕が発生しそうなとき…つまり水槽の調子が悪くなってきたとき」か「水景の写真を撮るとき…つまり人に見せたいとき」です。
日々の管理では水槽内に早い水流を作らないようにしています。
上部濾過器のシャワー口はL型に曲がったパイプを後ろのガラス面に当てるようにしています。
もし、上部濾過器の水槽セットを購入する場合には「水の出口がL型のパイプになっている製品」にするようにお勧めします。
そうそう、「みどぼん」の交換もありますね。それと、ショップ巡り…。
でも一番面倒くさいのが「水槽のリセット」ですね。1日以上かけた気合の入るときです。
水槽維持が順調に行われるようになると意外に手間のかからないものです。
良く「生き物のを飼うと旅行にも行けないでしょ?」と言われますが、1週間程度なら餌を与えなくても全然問題がありません。
また、「水の交換も大変でしょ?」とも言われますが多少の手抜きでも問題はありません。
しかし、一旦問題が生じると「右往左往」します。これはこれで楽しい時間でもあるのですが…。
とにもかくにも、水槽が順調という事が一番大切です。この時期に変な事をしないのもコツかと思います。
油幕も出ない、底も綺麗、水草は勢い良く、光合成も盛ん…。まず目指すのはこんな環境でしょう。
しかし、難しい事はありません。
私の場合、150cm水槽には生命維持装置が多く存在していますが、60cm水槽はセットで買ってきたまんまです。
それでも、水草は光合成をし大きく成長しています。150cm水槽で光合成の気泡が出ていないときでも60cm水槽は盛んに気泡を上げるときもあります。
60cm水槽で施してある特別な事といえば温床を引いてある事ぐらいでしょうか?
とにかく何も手のかからない水槽です。ちなみにエンジェル等中型の魚は8匹ほど投入してあります。150cm水槽より過密度は高いのです。
本人も「何故こんなに調子が良いのか」不思議に思っているくらいです。余計な事をしない手抜きが結果的に強い水となったのでしょうか?
最後に、良く参考書には「リセット->小さな水替え->小さな水替え->小さな水替え…->大きな水替え(リセット)」と書いてありますが、大きな水替えにこだわる必要は無いと思います。
基本的には、水槽立ち上げ後1ヶ月でやや大きな水替えを行ったら日々の管理による水替えで対処できると思います。
初心者は水槽立ち上げ後に必ずやって来る大きな危機(魚が落ちたり、コケが出たり)が到来すると水を全部替えたり、フィルターを綺麗に掃除したりします。
しかし、これは逆効果です。せっかく増えてきたバクテリアを大きく流失させている行為なのです。
魚が落ちるのは大抵「最初から過密飼育」しているか「弱い(敏感)魚の投入」です。
コケの発生はバクテリアの増える過程での試練です。
中には何度もリセットする人がいますが、なるべくそのままの状況で2ヶ月は耐えて欲しいと思います。
魚の病気にしてもそうです。病原菌が水槽に入ったと思う人もいるかもしれませんが、病原菌は常に水槽内に存在しているのです。
それが魚の調子の低下とともに表面に現れるのです。もちろん病原菌の絶対数を増やす行為はいけません。同様にコケも常に水槽内にいると思ってください。
重要な事は発病や発芽させない環境を作る事なのです。
なんだか水槽維持に慣れてくると当初行っていた神経質な管理はなりを潜め、安価に適当に維持できるようになってきます。
それもこれも当初の経験のなせる技であることは間違いないですが…。