|
そこで考えたのが左の装置です。 単純に水槽の水の排出口パイプに穴を空け水面に突き出るようなパイプを付ける。 おそらく、これだけの基本原理で水面の油膜をずっと取り続けると思います。 問題は水面に突き出すパイプの高さを変化する水面に「どうやって合わせるか」でしたが、パイプとパイプの連絡パイプを可変(パイプを傾けられる構造)にすれば、水面に出すパイプが斜めになった分だけ低くなるので調整できると考えました。 つまり、パイプを傾けられる構造によって高さ調整できるのです。 部品はホームセンターで、私の水槽の排出パイプと同径のアクリル透明パイプ(1m:400円)が手に入ったので、それを加工することにします。 |
|
左の円盤状のものは、お互いのパイプとパイプの合わせ目それぞれに取り付け(青と赤)、一方のパイプを回すと水の通り道の広さ(白い部分)が変化するようになっています。 この装置は実際に試すまで取り付けてなかったのですが、水面からパイプに落下する水の落差を調整する必要が出てきたので急きょ取り付けました。 つまり、下から吸い込まれる水の量が多いと、水面からパイプ内への水の落差が小さくなり、下から吸い込まれる水の量が少ないと、水面からパイプ内への水の落差が大きくなります(ベルヌーイの法則)。 普段の管理には下からの水の取り入れを大きくし、急いで油膜を取る時には小さくします。 ただし、落差を大きく(下からの取り入れを小さく)した場合、水面のパイプが水中にある時(油膜は上手に取れません)は良いのですが、水面より上に完全に出てしまうと空気が混入し、外部濾過器に空気が送り込まれるので注意が必要です。 通常は空気が入る所まで水位は下がりません。なぜなら、水の本体経路(左部分)での水流の速さで右の水を引っ張るからです。水流が無いと水槽の水面と右のパイプ内の水面は一致します。 左のパイプに水流が発生するとその徐々に右のパイプの水面が下がっていきます。 |
排水ホースに合う径のアクリルパイプ(1m:400円)を購入。 ついでに接着剤も購入。 瞬間接着剤もあると便利。 包装用の透明プラスチック・カバーは切って貼り付ければパイプの蓋にもなるし、先の水流調整弁にも使える。 |
|
化粧ビンの蓋でパイプに栓をして、パイプの接続のために穴を空ける。 接続パイプは径の小さい(ストローよりは大きい)アクリルパイプを購入。2cmもあれば良いので代用品を探すと良い。 ただし、がっちりした作りのパイプが良い。パイプを傾き可変の支点にするため。 私はシャワーパイプを切って代用。 |
|
2つのパイプを接続したところ。 接続パイプは一方のパイプとだけ接着する。 もう片方とは接着をしない。これはパイプの傾きを可変にするためである。 |
|
水面の吸い込み口にゴミ除去用のカバーを取り付けてみた。(化粧ビンを切って代用) このカバーにホースが付いており、高さ調整も出来る。 この写真でパイプ同士に角度が付いているのが分かるでしょうか? |
|
全体の完成写真。 緑の部分は回転し、水量調整が出来る。 また、上下にもスライドできるようになっている。パイプの角度による水面調整と共に使用できる。 |
水面の油膜を吸い取っている場面。
5cm位の落差で水がパイプに落下している。
水面の油膜はどんどん吸い込まれていく。
まさにブラックホール状態。普段はゴミカバー(脱着可)を取り付け落差も小さく。
水槽の水位が下がっても空気が入るまでパイプ内の水位は下がらない。
緑のチューブの途中にある白い物質が高濃度の油膜(数字付近)。
この油膜の固まりはやがてパイプの底に落下して、濾過器へ。
制作費は1,000円もかかっていません。その割に奇麗に作成できました。
油膜の固まりはやがて濾過器で分解され、無害になっていきます。
そして、この装置を取り外しても油膜が出なくなります。
現在はこれの改良型として、通常の水槽の排出口にかぶせてセットするタイプとしてリニューアルしました。
これで本体に穴を空けることもホースをはずすことも無く気軽にセットできるようになりました。
後日、私の作ったのと同じような装置をテトラの商品に発見しました。
おそらく基本的な動作は同じだと思います。商品はもっと複雑な感じでした。
しかも8,000円ぐらいの値段がしたと思います。
応用として、このシステムを独立させると、水位を一定に保つシステムになります。
すると、水道から水を常に少しずつ水槽に足して、このシステムで排水すれば…水替え作業不要の水槽になるではないか…。
水道工事と屋外排水用の穴あけでできるんだが…。
まさに「川の流れのように」です。
最後に
油幕は生物兵器(グラミー)でも取れる。
写真はゴールデングラミーが油幕を吸いこんでいる場面。