高山植物保護のために （山梨県観光保護課指導書抜粋）

種の保存法

　「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律（種の保存法）」 は、平成５年４月に試行され、それに基づき、絶滅のおそれのある野生動植物の 種の保存を図るため、捕獲、譲渡等の規制、生息地等の保護のための規制及び保 護増殖のための事業が実施されています。
　平成６年１日には、山梨県固有のキタダケソウが、特定国内希少野生動植物 種に指定され、さらに平成６年１２月には「北岳キタダケソウ生育地保護区」が 指定され生育値への立ち入りが制限され、さらにキタダケソウの保護増殖事業も 実施されています。
　更に平成９年１１月より、敦盛草、布袋敦盛草が新たに種の保存法に追加されました。

森林法

　森林法では、高山植物等の林産物の採取が禁止され、また窃盗された林産物 の収受、運搬、故買等も禁止されています。

（森林法第１９７条）（抄）

森林に於いてその産物を窃取した者は、森林窃盗とし、３年以下の懲役又は３ ０万円以下の罰金に処す。

（森林法第２０１条）

１．森林窃盗の贓物を収受した者は、３年以下の懲役又は３０万円以下の罰金 に処す。
２．森林窃盗の贓物の運搬、奇蔵、故買又は牙保をした者は、５年以下の懲役 又は５０万円以下の罰金に処す。

自然公園法等

　自然公園（国立公園、国定公園及び県立自然公園）の特別地域内では、環境 庁長官又は県知事が指定する高山植物等は許可無しに採取することは禁止されて います。
　これらは指定植物といい、それぞれの自然公園ごとに種が指定されており、 例えば南アルプス国立公園では４００種余りになります。

（自然公園法第１７条第３項）（抄）

特別地域内においては、次の各号に揚げる行為は、国立公園内にあっては環境 庁長官の、国定公園にあっては都道府県知事の許可を受けなければ、してはなら ない。
(8)高山植物その他これに類する植物で環境庁長官が指定するものを採取する こと。

（自然公園法第５０条）（抄）

次の各号の一に該当するものは、６箇月以下の懲役又は３０万円以下の罰金に 処する。
(1)第１７条第３項の規定に違反した者

（県立自然公園条例第１６条第４項）（抄）

特別地域内においては、次の各号に揚げる行為は、知事の許可を受けなければ 、してはならない。
(8)高山植物その他これに類する植物で知事が指定するものを採取すること。

（県立自然公園条例第２６条）（抄）

次の各号の一に該当する者は、３か月以下の懲役又は３０万円以下の罰金に処 する。
(1)第１６条第４項の規定に違反した者。

１　採取等の規制

　山梨県において絶滅のおそれのある、キタダケソウ、アツモリソウ、コマク サなど２２種類（ 規制植物写真リスト参照 ）の貴重な高山植物を規制対象植物に指定し、これらの採取行為を原則とし て禁止しています。

２　譲渡等の規制

　１の規制に違反して採取された規制対象植物については、その譲渡、譲受も 禁止しています。

３　栽培業や販売業の届出等

　規制対象植物の栽培業、販売業を営もうとする者は、氏名、住所等必要事項 を記載した届出書を知事に提出しなければなりません。また、営業に際しては、 帳簿を備え、その買入れ、販売について必要事項を記載し、保存しておかなけれ ばなりません。

４　罰則の適用

　１，２の規制に違反した者、３の届出をしない者等には、罰則を科するもの としています。

自然公園の利用にあたって

　自然公園とは、自然公園法に基づいて指定された国立公園、国定公園及び県 立自然公園を言います。
　自然公園は、その「公園」の名称からも明らかなとおり、自然を保護すると ともに、国民の保健休養の場として役立てることにあります。
　このため、自然公園内ではお互いに次ぎのようなことはやめましょう。

１　動植物の採取

　草一本、虫一匹も大切な自然です。あるがままの自然をあるがままの姿で楽 しむことが、自然保護の本来の姿です。

２　ゴミなどの投げ捨て

　自然公園に捨てられた空き缶やゴミ等は、自然の生態系にも悪影響を及ぼし ます。これらを家まで持ち帰るのが、利用者のマナーです。

３　歩道以外への立ち入り

　歩道以外への立ち入りは植生を傷つけるなどの影響が生じます。自然公園の 利用にあたっては、歩道を歩くことが原則です。

山梨県の自然公園

（山梨県規制対象植物案内より）