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きっかけは些細なことから…

 今にして思えば、アクアリウムに凝りだしたのは全くもって些細なことでした。以前から部屋にインテリアとして水槽があれば綺麗だろうなとは思っていましたが、私の性格を丹念に分析すると、凝りだしたら徹底的に凝るタイプなので、手が出せずにいました。

 そう思いながらのある日、友人が熱帯魚を飼っているよと言うので、興味半分、観察程度に友人宅へ見学に行くことにしたのでした。
その観察に行った時、友人はこともあろうか「この余った水槽をあげるよ」と言うので、以前から熱帯魚を始めたいと思っていた私は1も2もなく「ちょうだい」と返答したのでした。これで私も水槽が持てると思うと、想像の産物は現実に1歩近づいたのでした。


しかし、もらえるはずの水槽は、いつしかもらい損ね、しかも水槽だけ手に入れるよりセットで購入した方が安いという友人のアドバイスもあり、
「こうなったら始めるか…」と自分に気合いを入れ、水槽セットのあるはずのホームセンターに向かったのでした。

 ありました。セットで12,000円。内容はよくわかりませんが、なんだか全部そろっているようでした。
しかし、念のため店員さんに「これで直ぐ始められるの?」と質問をしてみることにしました。
ところが、「水草もするの?」と突然聞くので、
「はい、します」と内容もわからないまま返答をしてしまいました。
「じゃぁ、砂もいるね」と言うので、砂を店員さんの言われるがまま、砂の袋(パールサンド)で購入し、
そして私は「適当に魚と草を欲しいんですけど、どれがいいですか?」と続けて質問をしました。
すると、「草は直ぐ植えて良いけど、魚はまだ入れてはいけません」と言うではないですか?
「何故?」と私。
「1週間ほど水を安定させなければ」と店員。
それ以上はつまらないプライドが邪魔をして、ふーむ、なんだか良く解らないけど本を買って調べようと思い、それ以上詮索はせず、ホームセンターを後にしたのでした。
そしてまた、絶対これ以上お金もかけないと誓い、最初からインテリアだからと自分に言い聞かせ自分の欲望を制御したのでした。

とにかく組立

 家に帰り、セットをばらしてみると見慣れない部品ばかり…、元来、説明書を読まない私は試行錯誤をして組み立ててみました(結局参考に写真を見て組み立てましたが)。
ちなみにセット内容は、60cm水槽・蛍光灯・上部濾過器と濾材・中和剤・バックシート・ヒーターですが、3つほど解りませんでした。
1つ目の疑問…濾材とフィルターはどう入れるの?しかも活性炭もある(入れる順番がわからない)。
2つ目の疑問…バックシートはどこに付けるの?
3つ目の疑問…中和剤(当時は知識が無く使い道が解りませんでした。見当は付いたのですが分量もわかりません)。
後はまぁ何となく様になっているような気がします。

 とにかく組立て、次は砂を洗いました。これがけっこう大変。
バケツに少量づつ砂をあけ、お米を洗うようにという説明の通りゴソゴシ…。いくら洗っても汚れが取れたようには見えないし、でもきりはないし。途中適当なところで妥協をしないといけませんね。
そして、水を入れたのですが、「ちょっと待て、これすごく重いんじゃないの?」です。気が付いたときは早かったので大事になりませんでしたが、置き場所を考えてありませんでした。しかもついさっきまで組立をしていたので足の置き場もない…。結局、はやる気持ちをおさえ、お掃除がさきです。
でもって、なんとかこの日は置き場所を確保して終了です。この時やけに水槽内が濁っていたのが印象的です。

研究

 さて、次は研究です。組み立てたセットの役割、何故すぐ魚を入れられないのか?どんな魚を購入するべきか?です。
そこで早速本屋さんに行き、初心者用の本を購入しました。
何々…バクテリアが云々…。これか店員の言っていたのは?
 次に水槽を薦めた友人にリサーチ。
1.濾材の順番(本では絵的によくわからない)。
 私:上からスポンジ・活性炭・スポンジ。友人:上からスポンジ・スポンジ・活性炭(ふーむ?)。
2.バックシート(これも本では絵的にわからない)。
 私:水槽内に配置。友人:水槽の外に配置(魚が挟まるでしょ、テープで留めるんだよ)。納得、大変だもう水槽は配置してあるんだ。しかも後ろ側は壁に付いているので水を抜いて軽くしなければ動かせない。
3.中和剤。(「アクアリウム何故?何?の水は水道水から」を参照)
 友人:2粒ぐらい(なるほど)。

 もう待てない、3日目…。水は多少濁っている。どうしよう?しかし気が付いたらホームセンターにいるのでした。
私は、もう素人でないふりをしながら(以前の店員にも会わないように…何つまらないこと気にしているのか?)、ネオンテトラ10匹と友人に教えられた残飯処理のコリドラス2匹そしてコケを食べるプレコ1匹を購入、急いで家に戻るのでした。
そして、水合わせはしなくても大丈夫という友人の言葉を信じ、すぐ投入。大丈夫でした。

後日、流木と溶岩石を配置して、この時の本人は憂かれ気分。
この水槽が単なる全ての始まりとは、この時本人も知る由がない。


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