富士五湖周辺には様々な美術館や資料館が存在しています。その中でひときわ異色を放っているのが今から紹介する「富士博物館」です。
山梨県で一番最初の博物館で、昭和29年に河口湖畔にあった約300年前の豪農の家屋を復元し、館の内外に富士北麓のローカルカラーをつくっています。
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展示品の多くは富士レークホテルの先代がコツコツ収蔵したもので、富士山の熔岩から昔の生活用具・道祖神・剥製・土器・宗教まで幅広く収集されています。中でも河口湖から引き揚げられた丸木船や、うの島から出土した縄文時代の土器、富士山の火山弾、富士講の版木など歴史的に見て貴重な展示物が所狭しと陳列され、注意深く見物をしなければ見落としてしまうほどです。
展示物の数々 |
山梨県指定の丸木船 |
富士山火山弾 |
昔の用具 |
富士山熔岩 |
道祖神 |
遺跡出土品 |
剥製 |
信仰 |
富士講版木 |
部屋 |
生活用具 |
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博物館は狭く、雑多な雰囲気。しかし、その収蔵品の数々は専門家さえ唸ってしまうほどのクオリティーがあります。普通に見てしまうと「ふ~ん、そうなんだ」という感想でしょう。ところが、その一品一品は十分研究に値する価値があり、個人収集で集めた利点がそこにあります。
一つ一つの展示物は紹介しませんが、富士山・富士五湖マニアの皆さんにはお勧めのスポットになること間違いありません。
観光地化された河口湖にて一考に価する博物館の復活は地元の皆さんにも広く知ってもらいたいと思います。地元の小中学校の先生方にも子供たちの地域発見の社会学習の一環として是非に利用してほしいと思うのでした。 |
富士博物館
入館料:大人200円、小中100円
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開館時間:9:00~16:00(冬期休館)
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富士博物館にて河口湖に居るという河童像も展示されています。
河口湖の河童伝説
カッパには神通力があります。どんなケガにもきく薬をもっているともいいます。ある日、カッパから、この薬をせしめた者がいました。
その昔、河口湖にはカッパが住み、人間とは親しくつきあっていました。河口湖の水神ともいわれます。カッパにまつわる民話も数多くのこされています。
長浜に八エ門という力もちがいました。小海部落でマキを売リ歩いていると、カッパに声をかけられました。相撲をとろうというのです。八エ門は負けん気を出して四つに組みました。しかし、ずるずると湖に引き込まれていきます。
思わず「助けてくれ」と叫ぶと、大嵐の天神様がこれを聞きつけ「ハチを攻めろ」と教えてくれました。ハチとは頭のことです。カッパの皿には三つの穴が開いていて、この穴に指をつっこむと、カッパの神通力は失われてしまうといいます。八エ門がカッパの急所をせめると、カッパはへなへなと倒れてしまいました。
河口瑚の「名薬」として「河董膏(かっぱこう)」という薬が知られていました。はまぐりの貝に入れたぬり薬です。
湖畔の部落の庄屋だった安太郎の家に、たぴたぴ忍び込み、保存食のアブリ魚を盗んでいくものがあります。あたりが濡れているので、カッパにちがいありません。ある晩、ヒジロ(いろリ)に、巻紙が置いてあリました。開いてみると、河董膏の作り方が書いてあります。
さっそく薬を調合し、ためしてみると、びょうそうや、きず、はれものによくききます。カッパがアブリ魚をぬすんだおわぴにと、置き土産をしていったのです。安太郎はこの薬を広く各地へ売り歩き、大全持ちになったそうです。
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