第一章の登場人物


株式会社イースト・ソフト 1989年頃

組織図
曽根社長 木藤専務−−− 長井課長−− 和田主任
−−−−−− 湯川祐次を含む営業3名
水上技術部部長 吉田課長−− 出向者を含めて12名
−−−−−−− 本木部長待遇
事務員1名

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和田信也主任 イースト社員

和田信也主任 25歳

本物語の狂言回し的存在。
中学のころ「ラジオの製作」に載っていたボード・マイコンに興味を持つ。
コンピュータ雑誌にプログラムを寄稿する思春期を経て、高卒後、地方から東京に行く。
23のとき、地方に会社を設立する野望をもって株式会社イーストに入社。
偶然から会社の命運を分けるプロジェクトに参加し、頭角を表す。
社長も一目置く扱いの厄介な存在だ。

曽根昭 イースト社長

曽根昭社長 48歳

大手構造解析のソフト会社に勤務していたが、上司とのトラブルで退社。
水上、木藤達と共に株式会社イーストを設立。
出向による収入で細々と会社を維持してきたが、和田の開発したソフトで波に乗る。
しかし、わがままだけど気の弱い性格のため社内改革を断行できない。
只唯一木藤の言う事には耳を傾けることがある。

木藤浩次 イースト専務

木藤浩次専務 41歳

曽根社長と居酒屋で知り合い、イースト設立。
和田と湯川の実質的な上司。
口がうまいだけが取り柄で世を渡っていくタイプ。
和田と湯川の言い分を良く聞く機会を設けるが、実行することが出来ない。
一方では曽根社長を操れる唯一の人物。
人当たりが良いので人に好かれるが、約束を守れず信頼を失う事が多い。

水上順 イースト技術部部長(役員待遇)

水上順技術部長(役員待遇) 41歳

曽根社長と構造解析の会社に在籍していたが、曽根の退社と共に自身も退社。
株式会社イーストを共同で設立するが、経営に興味が無い根っからの技術屋。
CAD系のプログラムでは有名で、特にインターグラフに強い。
無口で無愛想。部下にも人気がない。
しかし、仕事を遅らせることのない巧みな見積もりができる。
とにかく、プログラムにしか興味がない変な人でもある。

湯川祐次 イースト営業

湯川祐次 22歳

関西出身のイースト社員。
和田の1年後輩だが、酒と女も和田以上に好き。
カラオケは抜群にうまく、どの店でもリクエストの要請がかかる。
プログラマーとして入社したが、和田の開発したソフトを契機に営業へ回る。
しかし、営業が彼の天性らしく、以後ずっと営業部に在籍。
実質、営業部を取り仕切る会社も一目置く存在だ。

吉田賢治 イースト技術部課長

吉田賢治技術部課長 30歳

イーストの中堅社員。
曽根社長に居酒屋で拾われた経歴を持つ技術者。
ときどき、長期無断欠勤を行い行方不明になる病気が出る。
和田・湯川とも良く飲みに行く気さくな先輩社員。
曽根社長には恩義があり、「一生付いていく」が口癖。
水上部長の下、出向者をまとめる兄貴的存在。

長井伸之 イースト開発部課長

長井伸之開発部課長 30歳

和田より2年遅れて入社したが、年齢が上のため入社した瞬間に課長となった。
どうやら曽根社長が和田を押さえるために実行した措置だが、実力が伴っていなかった。
しかし、世渡りがうまく、イーストの社風も他人を気にしないので問題は起きなかった。
後に和田の開発したソフトを引き継ぎ、製品チームのリーダーになる。

本木博史 イースト技術部部長待遇

本木博史(技術部部長待遇) 38歳

年齢だけで部長に納まっている得体の知れない人。元高校の物理教師。
社内の誰もが(社長も含めて)無能だと思っているが、飄々と仕事を続ける。
おそらく、出向料金を高く取れるので存在していると思われる。
しかし2ヵ月もすると、出向先を追い返されてしまう。
ついには出向先もなくなり、社内で何らかの仕事をしている。
誰も何の仕事をしているのか、分からないという不思議な存在。

飯田橋事務所
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鈴木建設

木洋一 鈴木建設計算機部課長

木洋一計算機部課長 43歳

和田の開発した「ドローイング」(Drawing)の基の発想を持ってきた大手ゼネコン鈴木建設の課長。
課長といえど、操作できる金額はイーストの年間純益を超える。
アメリカ留学時代にDrawingの基礎を研究し、和田との出会いから完成にこぎつける。
その分、Drawingに対しての思い入れも大きく、イーストの良き理解者になっていく。

新谷方正 鈴木建設計算機部

新谷方正計算機部主任 33歳

木課長の部下。
Drawing開発時に鈴木建設が組んだプロジェクト・チーム(5名)の1人。
和田とは良く激論(技術面ではない)を交わした人だったが、システム完成のころ死去。

 

Drawing

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