凱風快晴(冨嶽三十六景)の解説 葛飾北斎の富士山の場所を特定する謎解き |
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この記事の葛飾北斎考察がNHK歴史探偵とNHK歴史秘話ヒストリアにて放送されました また、同時に神奈川沖浪裏のアニメーション説の実験もしてもらいました。 |
当ページをダイジェストで見たい方はこちらから(PDF) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「凱風快晴」の立体模型を考察した位置情報を用い、現在の地形データで再現しました。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
7色にゆっくり光ります |
雷が激しく光ります |
USBにてPC動作します |
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制作過程等、詳細はこちらから | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
東海道沿線で雪形・山容の一致度が最も良好な地点と微調整 (2016年当時の考察)
「凱風快晴」の視点は富士川河口付近のスケッチを傾けた画と(100%)断定し、 河口を離れ海上の可能性が限りなく高いと想像できます。
緯度 35 05'10.91" , 経度 138 37'40.67" レンズ50mm撮影画像を縦に1.65倍、時計回りに4.5度傾けた画像が「凱風快晴」で、 5月中旬の早朝5時ごろと結論付けられます。 |
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追記 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2017年4月21日放送の「NHK歴史秘話ヒストリア」にて検証を行いました。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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というわけで、個人では実現困難だった富士川沖に船をチャーターして考察ポイントで富士山を撮影してきました。機会をくださったNHKさんには感謝です。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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撮影時期が早かったため残雪が多く雪形は観察できませんでしたが、山体はピッタリ一致しました | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
追記2 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2021年4月21日放送予定の「NHK歴史探偵」にて解説を行いました。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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富士川河口の夜明け(2020年12月10日) |
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富士市市役所より2021年1月の4K動画 (NHK歴史探偵出演の際に提供した動画) |
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縦1.7倍、右傾き6.44度(検証図は「凱風快晴」の初版に近い版を使用) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
以上のように2021年1月に富士市市役所の協力を得て1カ月に及ぶ定点観測を行いました。その結果、定点観測によって雪形としては珍しく2021年の1月は通常みられる5月中旬以降の雪形が現れた。この雪形の検証を見る限り、「凱風快晴」は富士市から描かれたことに疑いはない。 しかし、富士市市役所(旧吉原付近)では雪形にズレがあり、地図上で言うともう少し左の位置から富士山を眺めたであろうと思われる。よって、富士市本市場の線上に位置する富士川河口沖説の補間に成功した。 |
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2度までも検証の機会を与えてくださったNHKさんには感謝いたします。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
コラム:場所を特定する意義 北斎の「凱風快晴」の場所はほぼ特定できました。ここで富士山の視点を特定する意義を私なりに説明したいと思います。 従来の「凱風快晴」の富士山指定位置は、三ツ峠山〜山中湖が大勢を占めていました。これは富士山の赤富士を根拠に、季節は晩夏〜秋口の早朝、台風の来る前の瞬間的な快晴という意味付けがされ、さらに北斎は三ツ峠に登山していることにもなります。ところが、本項で「凱風快晴」の富士山位置が特定されると、晩春〜初夏の早朝で海上を移動中に描いたということになり、北斎の道程や画の雰囲気も違って見えます。つまり、北斎研究にしても浮世絵研究にしても解釈に大きな違いを生むことになります。 不明部分の珍説はあっても良いと思いますが、事実に近づく珍説であったり研究が進まないと意味を成しません。そしてその事実は残された書物や画の中にヒントの一端があり、ならば、せめて画の中の事実を追求しなければなりません。何故なら描かれた富士山は今も同じ形で存在している唯一の証拠になるからです。それなのに従来の研究家は描かれている富士山の検証をきちんと行っていません。心象であったり、おおよそであったり。繰り返しますが、「凱風快晴」が晩夏なのか初夏なのかで画の解釈は違うのです。北斎が山で描いたのか海で描いたのかで解釈は違うのです。 他の画も含めて、今一度「北斎の富士山がどこで描かれたのか?」に注目し、北斎研究が進むことを願います。そのためには誤った視点位置の信仰を捨てる覚悟も必要だと思います。 |
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最後に 実際は船で移動しながら描いているので富士山稜線の凹凸は田子の浦〜蒲原沖までを網羅した、「甲州三坂水面」と同じ手法の時間軸を同時に見える形状になっています。このことからも北斎は船で移動しながらスケッチしたと思われます。 後の考察は北斎の行程順路(江尻←→田子の浦または伊豆方面)が推定できます。ポイントは「北斎は船で移動した」ということで、今までの概念を大きく進展できる考察結果となりました。 |
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ちなみに「山下白雨」の左下の山並みもほぼ同位置からのスケッチとなっています。 |
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以下にここで行った検証結果の一致度を参考資料として掲載しておきます。異論のある方大歓迎。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
また「神奈川沖浪裏」の波に隠れている富士山はここからのスケッチとなっています。 |
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特徴のある山体の凹凸と沢による雪形を検証してあります |
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200年の謎は私が解いたよ北斎さん |
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