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11月18日に憧れの大先輩でもあり私の人生の目標でもあった向山満先生がコウモリ保護活動の途中で急逝されました。信じられない突然の訃報にあまりにもショックで、いまだ現実に先生の死をを受け入れらずにいます。 向山先生は大変純粋無垢で気さくなお人柄で、生き物のジャンルを問わずに全ての野生動物を愛し保護活動に打ち込まれていた大変希有な在野の調査・研究者でした。私も十数年来のお付き合いで、同じ目的を目指すものとして中国やタイなどにもご一緒し共にコウモリ調査もさせていただきました。私よりも一回り以上もご年配なのにもかかわらず、その好奇心たるやまるで子供のように旺盛で、例えば中国での2週間の調査の折には、出されたすべてのどんな食べ物にも箸を付けて味わい堪能されていました。激辛・激不味・どんな仰天食材でも一度は必ずその味わいを自分で経験してみるのだと。 向山先生はその生涯を通じて故郷の青森や東北地域だけではなく、日本各地にとどまらず遠くアンコールワット遺跡などをも含めて延べ数百万頭以上にも及ぶコウモリたちの生息地を自ら調査し、迅速に保護・保全対策を実践し大変能動的に守られてきました。私などは少しは先生の爪の垢でも煎じて飲んで、富士山地域の野生動物たちの保護活動を実践し続けているとはいえ、その成果は今もその万分の一にも及びませんが、地域密着型の自然保護運動の先鋒の一人として今後も努力・精進して行きたいと強く思います。
向山先生のご冥福を心よりお祈りしつつ、同志の一人として先生のご遺志を出来るだけ長く受け継いでいきたいと思います。
以下に向山先生のご紹介として、デーリー東北新聞社11月20日(天鐘)に掲載された記事を転載します。
「1965年春、青森県立三戸高校に新採用の生物教師が着任した。それから定年までの38年間、どこにも転任することなく、同校で教壇に立ち続けた。向山満さんがその人▼赴任先が決まるとすぐに決意した。「津軽地方に比べて研究が手薄な三戸地方で、生物分野のあらゆることに手を出し、全てを記録に残そう」。自然科学部の顧問として、生徒とともに精力的に調査した▼城山公園で野鳥の定点観察を続けたほか、山中で泊まり込みの調査も。対象は野鳥、昆虫、魚類、植物と広範囲に及んだ。研究はやがて学術的にも評価され、同部は環境庁自然保護局長賞などを受賞した。88年度にはデーリー東北賞も▼同部のOBで、田子町在住の大久保勲さんは、「先生は、調査を継続し、記録に残すことの大切さを繰り返し語っていた」という。恩師の強い勧めで、卒業後は自然観察指導員として活動している▼向山さんは七戸町の天間舘神社に生息する希少種ヒナコウモリの保護にも尽力。悪臭に悩む住民に貴重な繁殖地だと説明し、集団移転を実現させた。今年6月には八戸市立西園小3年生のコウモリ観察会で講師を務めた▼コウモリへの強い思い入れから階上町角柄折蝙蝠(こうもり)に居を移した向山さん。コウモリの生態調査に訪れた秋田県の山中で滑落し、亡くなった。八戸野鳥の会会長で、NPO法人「おおせっからんど」の前理事長。自然と共存する道を模索し続けた大きな存在だった。」
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